税金滞納は資金調達の大きな壁になる
法人税、消費税、住民税、社会保険料——事業を営む上で避けて通れない税金や社会保険料の支払い。資金繰りが苦しい時期には、これらの支払いが後回しになることも珍しくありません。
中小企業庁の調査によると、中小企業の約**15%**が何らかの税金・社会保険料の滞納経験があるとされています。
しかし、税金の滞納は資金調達において深刻な影響を及ぼします。
税金滞納が資金調達に与える影響
銀行融資はほぼ不可能
銀行や信用金庫の融資審査では、納税証明書の提出が求められます。滞納があれば納税証明書は発行されないため、事実上、銀行融資は利用できません。
日本政策金融公庫も厳しい
公庫の融資審査でも納税状況は確認されます。滞納がある場合、原則として融資は受けられません。ただし、分納の合意がある場合は相談に応じてもらえるケースもあります。
信用保証協会の保証も受けられない
自治体の制度融資で必要となる信用保証協会の保証も、税金滞納状態では受けられません。
差押えのリスク
税金の滞納を放置すると、税務署や自治体から財産の差押えが行われる可能性があります。売掛金や預金口座が差し押さえられると、事業の継続自体が危うくなります。
税金滞納中でも利用できる4つの資金調達方法
1. ファクタリング
ファクタリングは売掛金を現金化する資金調達方法であり、納税証明書の提出は原則不要です。
審査の対象は売掛先(取引先)の信用力であるため、利用企業の納税状況は審査に影響しません。税金を滞納している状態でも、売掛金さえあれば利用できます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 売掛金がすでに差し押さえられている場合は利用できない
- 税務署から売掛金の差押え通知が取引先に届いている場合も同様
- ファクタリング会社によっては納税状況を確認するところもある
税金滞納中にファクタリングを利用する場合、売掛金が差し押さえられる前に対応することが重要です。
2. 不動産担保ローン(ノンバンク系)
不動産を所有している場合、ノンバンク系の不動産担保ローンが選択肢になります。銀行ほど納税状況を厳格に見ないケースがありますが、金利は高め(年5%〜15%)です。
なお、すでに税金の滞納により不動産に滞納処分による差押えが入っている場合は利用が困難です。
3. 親族・知人からの借入
事業を理解してくれる親族や知人がいれば、一時的な資金援助を受けることも選択肢です。ただし、金銭の貸し借りは人間関係に影響するため、必ず借用書を作成し、返済条件を明確にすることが重要です。
贈与とみなされないよう、適正な利率を設定することも忘れないでください。
4. 売却可能な資産の現金化
使っていない設備、車両、不要な在庫などを売却して現金を確保する方法です。即効性があり、余計なコストもかかりません。
税金滞納を放置しないための対応策
資金調達と並行して、税金滞納の解消に向けた対応も進めることが不可欠です。
税務署・自治体への相談
税金を滞納している場合でも、自ら相談に行くことで分納(分割払い)に応じてもらえるケースが多いです。放置するよりも、早めに相談することで差押えを回避できる可能性が高まります。
分納が認められれば、その後の融資審査でもプラスに評価されることがあります。
猶予制度の利用
災害や病気、事業の著しい損失など、やむを得ない事情がある場合は、「換価の猶予」や「納税の猶予」が認められることがあります。
これらの制度の申請手続きについては、税理士や税務署にご相談ください。
納税資金の確保を優先する
税金滞納の解消は、事業継続のための最優先事項です。ファクタリング等で得た資金の一部を滞納税金の支払いに充てることで、段階的に状況を改善できます。
税金滞納 → 差押えまでの流れ
税金を滞納した場合、一般的に以下の流れで処分が進みます。
| ステップ | 時期の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 督促状の送付 | 納期限後20日以内 | 法律上の義務。届いたら要注意 |
| 催告書・電話連絡 | 督促後1〜3か月 | 複数回の督促 |
| 財産調査 | 滞納後3〜6か月 | 預金口座・売掛金・不動産の調査 |
| 差押え | 調査後〜 | 預金・売掛金・不動産等の差押え |
| 公売(換価) | 差押え後〜 | 差し押さえた財産の売却 |
督促状が届いた段階で、すぐに税務署(国税庁)・自治体に相談に行くことが最善の対応です。
資金調達方法の比較
| 方法 | 税金滞納時の利用 | 調達スピード | 主なコスト |
|---|---|---|---|
| ファクタリング | 可能(差押え前) | 即日〜3日 | 手数料2〜18% |
| 不動産担保ローン | 条件付き | 1〜2週間 | 金利5〜15% |
| 親族からの借入 | 可能 | 即日〜 | 借用書作成が必要 |
| 資産売却 | 可能 | 数日〜 | 売却損の可能性 |
| 銀行融資 | 不可 | — | — |
まとめ
税金滞納中は銀行融資が事実上利用できないため、資金調達の選択肢は限られます。しかし、ファクタリングをはじめ、利用可能な方法は存在します。
最も重要なのは、税金滞納を放置しないことです。税務署や自治体に早めに相談し、分納の合意を得ることで差押えを回避しつつ、ファクタリング等で運転資金を確保しながら、段階的に正常化を目指してください。ファクタリングの仕組みは「ファクタリングとは?初心者向け完全ガイド」で解説しています。信用情報に頼らない資金調達は「信用情報不問の資金調達|ファクタリングが選ばれる理由」もご覧ください。赤字企業の方は「赤字企業の資金繰り立て直し|倒産を防ぐ5つの選択肢」が参考になります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。税金滞納に関する具体的な対応については、税理士や国税庁(税務署)にご相談ください。中小企業庁でも資金繰り支援に関する情報を提供しています。
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