「担保も保証人もないから融資は無理」は思い込み
事業資金の調達で最も多い不安の一つが「担保がない」「保証人を頼める人がいない」という問題です。特に個人事業主や小規模事業者にとって、不動産などの担保資産を持っていないケースは珍しくありません。
しかし実際には、無担保・無保証人で利用できる資金調達方法は複数存在します。従来の銀行融資のイメージにとらわれず、幅広い選択肢を知っておくことが重要です。
無担保・無保証人で使える6つの資金調達方法
方法1: 日本政策金融公庫の無担保融資
日本政策金融公庫には、担保・保証人を原則不要とする融資制度があります。
新規開業資金(無担保・無保証人枠)
- 融資限度額: 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 金利: 年2.0%〜2.9%程度
- 返済期間: 設備資金20年以内、運転資金7年以内
- 対象: 新規開業者、または開業後おおむね7年以内の方
マル経融資(経営改善貸付)
- 融資限度額: 2,000万円
- 金利: 特別利率(低金利)
- 担保・保証人: 不要
- 条件: 商工会議所の経営指導を受けていること
公庫の無担保融資は、金利が低く返済期間も長いため、計画的な資金調達に最適です。ただし、審査に2〜3週間かかるため、急ぎの資金需要には向きません。
方法2: 信用保証協会付き融資(制度融資)
信用保証協会が「保証人の代わり」を務める制度です。保証協会の保証を得ることで、金融機関から無担保で融資を受けやすくなります。
- 保証限度額: 一般保証で最大2億8,000万円(無担保枠は8,000万円まで)
- 保証料: 年0.5%〜2.0%程度
- 融資金利: 年1%〜3%程度
小規模事業者向けの特例: 従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者は、無担保保証枠2,000万円が設定されています。
方法3: ビジネスローン(無担保型)
ノンバンクやオンラインレンダーが提供するビジネスローンは、原則として無担保・無保証人で利用できます。
- 融資額: 50万円〜1,000万円程度
- 金利: 年5%〜18%
- 審査期間: 最短即日〜数日
- 必要書類: 本人確認書類、確定申告書、通帳コピーなど
金利は高めですが、審査スピードが早く、急な資金需要に対応できます。
方法4: ファクタリング
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却して現金化する方法です。融資ではないため、そもそも担保・保証人という概念がありません。
- 調達可能額: 売掛金の額面の70%〜95%程度
- 手数料: 2社間8%〜18%、3社間1%〜9%
- 入金スピード: 最短即日
- 審査対象: 売掛先の信用力(自社ではない)
ファクタリングが無担保で使える理由: ファクタリングは「お金を借りる」のではなく「売掛金を売る」取引です。売買契約であるため、担保や保証人は不要です。また、信用情報機関(CIC・JICC)に記録されないため、将来の融資審査にも影響しません。
方法5: 補助金・助成金
国や地方自治体の補助金・助成金は、返済不要の資金調達方法です。当然、担保も保証人も不要です。
- 小規模事業者持続化補助金: 上限50万円〜200万円
- IT導入補助金: 上限150万円〜450万円
- 事業再構築補助金: 上限1,500万円〜1億円
ただし、補助金には以下の注意点があります。
- 申請から採択まで数ヶ月かかる
- 採択率は30%〜50%程度(制度による)
- 原則として「後払い」(先に自己資金で支出し、後から補填される)
- 使途が限定されている
方法6: クラウドファンディング
購入型クラウドファンディング(Makuake、CAMPFIREなど)は、商品やサービスのリターンを提供する代わりに資金を集める方法です。担保・保証人は不要で、融資審査もありません。
- 手数料: 調達額の10%〜20%程度
- 調達期間: 1ヶ月〜3ヶ月程度
- 成功率: プロジェクトの魅力と発信力次第
新商品の開発資金や、店舗の開業資金の調達に適していますが、運転資金の調達には向きません。
方法別の比較まとめ
| 方法 | 調達額の目安 | コスト | スピード | 使いやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 | 数百万円〜数千万円 | 年1%〜3% | 2〜3週間 | ○ |
| 信用保証協会付き融資 | 〜8,000万円(無担保枠) | 年1%〜3%+保証料 | 1〜2ヶ月 | △ |
| ビジネスローン | 50万円〜1,000万円 | 年5%〜18% | 最短即日 | ◎ |
| ファクタリング | 売掛金の額面次第 | 1%〜18% | 最短即日 | ◎ |
| 補助金・助成金 | 50万円〜1億円 | 無料 | 数ヶ月 | △ |
| クラウドファンディング | プロジェクト次第 | 10%〜20% | 1〜3ヶ月 | △ |
無担保で資金調達するためのコツ
信用力を代替する材料を用意する
担保がなくても、以下の材料で信用力を補えます。
- 安定した売上実績: 直近1〜2年の売上が安定している
- 大手企業との取引実績: 売掛先が上場企業や官公庁
- 確定申告を正しく行っている: 期限内申告、正確な申告
- 税金の滞納がない: 納税証明書で証明できる
複数の方法を組み合わせる
一つの方法で全額を調達しようとせず、複数の方法を組み合わせるのが賢明です。組み合わせ方の詳細は「資金調達を組み合わせる|融資×補助金×ファクタリングの最適ミックス」で解説しています。例えば、日本公庫で設備資金を調達しつつ、月々の運転資金の不足はファクタリングで補うという方法があります。ファクタリングの仕組みは「ファクタリングとは?初心者向け完全ガイド」で、日本公庫の融資は「日本政策金融公庫の融資を受けるには?審査のポイントと必要書類」で解説しています。事業資金の借り方全般は「事業資金の借り方5選|銀行融資・公庫・ビジネスローンを比較」をご覧ください。
まず「審査が通りやすいもの」から始める
公庫の融資とファクタリングでは、必要書類の量も審査の厳しさも異なります。まずはファクタリングやビジネスローンで当面の資金を確保しつつ、並行して公庫の融資を申し込むという段階的なアプローチが現実的です。
まとめ
「担保も保証人もないから資金調達は無理」という思い込みは、多くの事業者が資金繰りに苦しむ原因の一つです。実際には、日本政策金融公庫の無担保融資、ビジネスローン、ファクタリング、補助金など、無担保で利用できる資金調達方法は複数あります。
特にファクタリングは、担保・保証人が不要なだけでなく、自社ではなく売掛先の信用力で審査されるため、業績が厳しい時期でも利用できる可能性がある点が大きな特徴です。自社の状況と資金需要の性質に合わせて、最適な方法を選びましょう。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、融資条件や制度の詳細は各機関にお問い合わせください。
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